専門研修

現行の日本の医師養成課程において、専門研修(後期研修)は「1つ目の専門医資格を取得するまでの期間」と位置づけられます。平成30年度から新専門医制度が開始されたのを受け、当教室では日本専門医機構皮膚科領域専門医研修カリキュラムに基づいて、「福島県立医科大学医学部皮膚科研修プログラム」を作成しております。

 福島医大皮膚科研修プログラムの概要

皮膚科医が関わる疾患はアレルギー性疾患、感染症、腫瘍、自己免疫性疾患、遺伝性疾患、外傷と多岐にわたります。これらの疾患について専門的知識を取得し、十分な診療経験を積み、皮膚科専門医と認定されることを目的としています。同時に、臨床医としての基本能力が身につくこと、皮膚科サブスペシャリティを広く経験できることも大切にしています。研修年度に応じた到達目標を設定しながら、研修修了時点で皮膚科専門医を申請するのに必要十分な単位・知識・臨床経験が得られるように配慮されています。

※プログラムの詳細はこちらをご参照ください。

 福島医大皮膚科研修プログラムの特徴

臨床面での特徴

臨床能力の向上には多くの症例を経験する必要があります。症例数だけでなく、様々なバリエーションの経験も不可欠です。当教室は大都市圏の教室と比較するとトータルの症例数は確かに少ないかもしれません。しかし、病院がいくつも密接して症例が分散することはなく、福島県全域から診断・治療が難しい症例や珍しい症例がほぼすべて集まるので、疾患が偏ることなく十分に経験できるため、非常に勉強になります。皮膚科専門医取得の際には皮膚悪性腫瘍の手術経験数が問われます。当教室では積極的に手術を行っており、指導医に十分な力量があると判断されれば研修1年目から執刀できるので、研修期間中に十分な手術件数を経験できます。

研究面での特徴

当大学は賑やかな駅前から離れた静かな丘の上にあり、研究に専念するには絶好の環境です。現在は、強皮症と乾癬の研究を中心に、皮膚アレルギー、皮膚悪性腫瘍、サルコイドーシス、ベーチェット病など幅広い研究に取り組んでいます。教室間の風通しもよく、基礎医学系の教室へ勉強に行くことも可能です。研究も臨床も両方しっかりやりたい方には大学院入学を勧めています。皮膚科専門医取得後に学位取得を目指すとそれなりに時間がかかってしまいますが、当教室では臨床をしながら、研究日や臨床の空いた時間に研究を行うことで、専門医取得と学位取得を同時に目指すことができます。この仕組みにより専門医と学位の両方を取得するまでの期間を短縮することができます。

教育面での特徴

日々のカンファランス、皮膚病理組織勉強会、講演会に加え、学会発表の機会が与えられます。プレゼンテーションが上手な医師が多く、症例提示方法など丁寧に指導しています。また、担当症例について広く勉強し、できるだけ英語論文として仕上がるように丁寧に指導します。皮膚科では様々な学会が国内外各所で行われています。福島県は南東北という位置づけですが、仙台へ約30分、東京へ約90分という近さのため学会出張も苦にならず、地方都市のハンデはありません。皮膚科専門医申請時に学会発表数や論文発表数が問われますが、当教室での研修で十分な数を発表できます。

その他の特徴

カンファンランスや勉強会を業務時間内(午前8時30分~午後5時15分)におさめています。診療業務やカンファランスが夜遅くまで行われることは少なく、遅くとも18時までに全業務が終了するように心がけています。緊急の呼び出しも少ないので、研究や勉強、家族と過ごす時間、趣味など自分の時間を十分に確保することができます。

専攻医の1週間スケジュール例

専攻医は病棟グループへ配属され、担当医として入院患者の診療に当たります。その他に週1~2回程度、新患外来に補佐として入り、予診・検査・処置・皮膚生検について学びます。関連病院への出張では、湿疹、白癬、疣贅、帯状疱疹、褥瘡など皮膚科 common disease を経験できます。専門外来で担当医師から直接指導を受ける機会も設けています。

午前病棟業務新患外来入院手術関連病院出張病棟業務関連病院出張
(月1回)
午後外来手術カンファランス
医局会
入院手術学会予演
抄読会
専門外来

 研修修了要件

  1. 5年間以上の研修期間を満たす。
  2. 「研修の記録」の形成的評価票、年次総合評価票が埋められ、指導医の確認を受ける。
  3. 15症例の経験症例(入院・外来)レポートを作成する。
  4. 10例の手術症例レポートを作成する。
  5. 医療安全、感染対策、医療倫理の必修項目を受講する。
  6. 日本皮膚科学会主催講習会、学会発表、論文発表により、前実績単位60単位を取得する。

※前実績単位についてはこちらをご参照ください。

 申し込み方法

福島県立医科大学 医療人育成・支援センターへ専用の書類をご提出ください。プログラムへの採用確定後、日本皮膚科学会へ届け出を行って下さい。

 お問い合わせ

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